《豹頭王傳奇》
《豹頭王傳奇》中的主角,是連自己都不清楚自己出身的豹頭戰士。
融合了英雄幻想式的設定,和如同《三國志》般國與國之間的爭戰及興亡的浩大歷史背景。
在為數眾多的人物登場的同時,也包含了戰爭、政治、冒險、愛情以及恐怖的要素等,在故事中展開了浩大的歷程。
細細的描寫了人物的挫敗、情感與成長,連載後即獲得廣大的讀者喜愛。
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第1話 豹頭的假面
歴史ある皇国パロは、新興国モンゴールの前触れのない侵略により一夜にして陥落した。パロの王位継承者である双子のリンダとレムスは謎の空間転移装置により脱出を図るが、目標を誤り魔物の棲む森「ルード」に送られてしまう。その森で二人をモンゴールの追手から偶然救ったのは、なんと豹頭を持つ謎の戦士であった。そして彼は「グイン」「アウラ」という言葉以外、全ての記憶を失っていた。大河ドラマの幕開けを飾る第1話。
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第2話 黑伯爵的據點
全てはここから始まった。そう、黒竜戦役の日。そして全ての物語の始まりの日。かくて世界は激動へと投げ込まれてゆく光り輝く獅子の星へと・・・グインと双子は森で魔物達の襲来から辛くも逃げ切るが、モンゴール黒騎士隊に包囲されてしまう。隊長ルトは三人をスタフォロス砦に連行する。砦を預かり黒伯爵と恐れられるヴァーノンの座興でグインは巨大灰色猿と戦い危機一髪勝利する。収まらないヴァーノンは次に囚人イシュトヴァーンをグインと戦わせようとするが、これがグイン、双子とイシュトヴァーンとの運命的な出会いになるのであった。
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第3話 紅色傭兵
瘴気に満ちた砦に異形の影が迫りくる彼(か)を引き寄せしは赤き星か、闇を纏(まと)いし砦の主か恐怖に怯える小さき真珠を昏き闇が包みこむスタフォロス砦で、リンダはグイン、レムスとは別の牢に入れられていたが、そこで猿人セム族の少女スニと出会う。一方グイン達が隣牢のイシュトヴァーンと言葉を交わしている最中、猿人カロイ族がスタフォロス砦を奇襲、砦は炎に包まれる。グイン達はモンゴール兵士オロに窮地を助けられ牢獄から脱出、黒伯爵ヴァーノンとの対決を迎える。そこで見たヴァーノンの正体とは、カロイ奇襲の真の理由とは、、、。
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第4話 越過死之河
河は静かに流れゆき、恐ろしき性(さが)を押し隠すしかして一度(ひとたび)牙剥けば全てを飲み込み食い尽くす世界を分(わ)かつ水の境界線人それをケス河と呼ぶ砦から決死の脱出をしたグイン達は一足先に逃げていたイシュトヴァーンの提案でモンゴール領を離れるべく河を下ることを決意。しかしその河は「死の河ケス」と呼ばれていた。またその様子をモンゴール大公の娘、右府将軍アムネリスは見逃さなかった。イシュトヴァーンは自分の運を開く「光の公女」を探していたが、それはリンダではと感じる。しかし或る夜リンダに突如何かが憑依し彼に不気味な予言をするのだった。
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第5話 宿命的邂逅
夜明けの空気が音もなく奮え老獪な戦士の槍が風を裂く自由を掴まんと抗えど、運命からは逃れられぬ捉えられた蝶のごとくアムネリスの偵察隊がパロの双子達一行を発見。はやるアムネリスを制するように青騎士隊長マルス伯爵がグインの力試しを願い出る。マルスが剣を通じグインの底知れぬ力を感じていたその時、リンダとレムスが捕らえられ人質に。ついにパロの二粒の真珠は両親の仇、敵国モンゴール大公の娘アムネリスと宿命の出会いを果たそうとしていた。そしてアムネリスが出会うのはその二人だけではなかった。
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第6話 Semite族集結
小さき炎は風が吹けば消えるものしかしてそれを束ねれば、嵐をも退ける劫火となる。一万五千の蠍の群に牙を剥かんと、運命の朝が静かに明けゆくイシュトヴァーンの機知によりグイン達はアムネリスの陣を脱出するが、赤騎士隊に追い詰められる。グインはリンダ達をスニの村へ無事送るため単身追手を食い止める。その乱戦に参入したイシュトヴァーンは、赤騎士隊長アストリアスと対決するが、剣では遠く及ばず窮地をグインに助けられる。グイン達はスニの村に入るが、そこに待っていたのはモンゴール軍が一万五千の大軍勢を結集させたとの知らせであった。
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第7話 Nospherus之戰
地を埋め尽くす猛き蠍の兵士達圧倒的な戦力差は勝敗の行方を容易に決定づけるはずであったしかし彼等は知る。ここは魔の土地、ノーマンズランドなのだと。ノスフェラスの砂漠地帯を河のように移動するのは一万五千のモンゴール軍。対する五百のセム族は地の利を活かしながら決死の奇襲を仕掛けるが圧倒的な戦力差はいかんともし難かった。しかしグインの予想もしない作戦で戦況は一変した。誘き寄せられたモンゴール軍はノスフェラスの謎の生き物「イド」により壊滅的な大打撃を受け、グインとセム族は奇跡的な勝利をつかむ。グインの名がノスフェラスに轟いた瞬間であった。
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第8話 與狼王的邂逅
呪われた土地ゆえか、己(おのれ)の宿命ゆえか。未(いま)だ見えぬ夢の終わりはどこにある覚めぬ悪夢の只中で孤高の王は歩き続ける。己(おの)が運命の導く先へと…グインの思いもよらぬ作戦により戦局を転換させたセム族であったが、モンゴール軍をノスフェラスから撤退させることはできず、敵も次の好機を窺っていた。グインは圧倒的な戦力差の先に待つものを感じ、セム達に問いかける。「俺を信じて四日だけ持ちこたえてみせるか?」。グインはセム族と同じノスフェラスの民でありその住処の知れない「幻の巨人族」ラゴンを捜し出し、彼らに味方になってもらうよう頼みに行くと告白する。
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第9話 Lagonn的俘虜
それは幻の民と呼ばれし者大いなる力を携えしその者達は約束の地を求め、神よりの使者を待つかの地に導きしは御印(みしるし)を持つものなり巨人族ラゴンの村でグインは盗人と誤解され牢に入れられていた。彼らを説得しセムの村に連れて帰らなくてはいけないグインは、自らの使命を果たすため族長である賢者カーに対し勇者ドードーとの決闘を願い出、牢を出る。一方、グインの作戦でモンゴール青騎士隊に潜入していたイシュトヴァーンは、隊長マルスに近づいていた。そしてマルスはイシュトヴァーンに我が子の面影を重ねていた、、、。
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第10話 邊境的王者
比類なき勇猛さを誇るラゴンが砂漠に嵐を呼び起こすそれを従えるは豹頭の戦士勇者のごとく、英雄のごとく、そして王のごとく・・・かくしてノスフェラスをかけた最後の戦いの幕が上がる赤騎士アストリアスはセムの本拠地を発見。報せを受けたモンゴール軍はセム族一掃のため全軍総攻撃を仕掛ける。指揮官グイン不在のセム達にとって、この攻撃を阻む手立てはなく、次々と「赤きサソリ」の餌食となっていった。そして、この状況を不利と見切ったイシュトヴァーンは「未来の王」として生き延びるため、一人戦場から荒野に向けて馬を出す。リンダを残して、、、。
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第11話 戰士們
策謀渦巻く世界の中で人の想いはそれぞれにベールで隠した面(おもて)の内(なか)で戦に備えて牙を研ぐ求むるものの代償に、頬を流れし一滴(ひとしずく)ノスフェラス制圧からの撤退を余儀なくされたモンゴール大公ヴラドは、娘のアムネリスに対し「パロへ嫁げ」と命じる。それは占領中のパロを完全に治めるための政略結婚であった。アムネリスはその相手がクリスタル公アルド・ナリスであることをまだ知らない。一方ラゴンとセムを統べる「ノスフェラスの王」となるよう懇願されるグインだったが、リンダとレムスをアルゴスまで送り届ける決意を語る。物語は陰謀渦巻く新章へ。
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第12話 新的命運
退廃(たいはい)的な美、蠱惑(こわく)の瞳妖しき影は戸惑う心を絡めとる強き光に隠された王子を予兆を孕(はら)んだ闇が静かに覆う…パロ奪回のため首都クリスタルに潜んでいたアルド・ナリスは内通により捕らわれる。パロと友好関係にある草原の国アルゴスではスカールがアルド・ナリス救出の決意を固め、またアルゴスに向かうレムスは謎のドクロの怪人の声を聞く。アムネリスは花嫁としてクリスタルへ向かい、それをアストリアスが追う。それぞれが自らの運命に吹く激動の風をその身に感じていた。
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第13話 去往大海
つかの間の夢は光に満ちて初めて知る蜜の味に心乱れる水面(みなも)に写りし互いの影は波に揺られて千千(ちぢ)と散りゆくグイン達はケス河を下りレント海の港町ロスに到着。ここでアルゴスに向かうため大海を渡る船を探す。片や政略結婚のためパロに乗り込んで来たアムネリスに婚約相手アルド・ナリスは「パロの秘密、古代機械を見せてあげる」と謎の部屋へ彼女を誘う。一人ヤヌスの塔へ向かうアムネリスがそこで出合うものは…。
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第14話 光之船、光之公女
荒ぶる海は慈悲もなく、全てを飲み込む闇となる寄る辺なき船上で剣を振るうは、儚(はかな)き望みを掴むため眩き光が帳を引き裂き、希望の光を灯すグイン達がアルゴスへ向けて乗船した船は海賊船「ガルムの首」だった。その夜、海賊たちは彼らの寝込みを襲い船上で争いが起きる。その最中、大きな光の船がどこからともなく現われ、海賊船めがけて突入して来る。衝突かと思われる光と衝撃。そして船は一瞬にして消え去りグインもその姿を消した。グインが衝突の前に発した「ランドック」という言葉を残して。
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第15話 再會
交わす口付けは歓喜に溢れ、甘やかなひと時が静かに流れる煌(きらめ)く朝日に照らされて、寄り添う二人の影が重なる淫けき道はいつか交わると信じて…。グインを失った寂しさを消せないリンダ、そんなリンダにこれまでにない感情を覚えるイシュトヴァーン。そして一行は海賊たちと共にある島に辿り着く。そこでスニが山の頂上にある洞窟を見つけるがリンダは特別な何かを感じ行くことに反対する。一方パロで婚礼を控えるアムネリスは、アルド・ナリスとの出会いで、自分が女であることの喜びを感じていた。
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第16話 胎動
光の子らが舞い踊り、眩(まばゆ)き生命(いのち)が溢(あふ)れだす奏でる音色(ねいろ)に調べを乗せて、無垢(むく)なる魂の枷(かせ)を解くその唄(うた)は赤く染まる空にとけて…。島の洞窟でグイン達が遭遇したものは、内部に様々な色の光をたたえる巨大な塊のような物体であった。初めて出会った謎の存在にリンダは何故か懐かしさと崇高さを感じ、グインにも以前似たものを見た記憶が甦る。一方アムネリスがナリスと本気の恋に落ちたことを知った大公ヴラドはモンゴールの支配を危ぶみナリスを婚儀の後殺害することを計画、またアムネリスの弟ミアイルをケイロニアの皇女シルヴィアと婚約させようと画策する。
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第17話 永別了,我的愛人(前篇)
彼(か)の寵愛(ちょうあい)を受けし者、彼(か)の導きを求めし者、彼(か)の威光(いこう)におぼれし者それは全ての愛と美を司(つかさど)る女神にしてあまねく喜びと憎しみを見守る者なり。モンゴール公子ミアイルは吟遊詩人マリウスの歌に自らの孤独を癒され、彼を実の兄のように慕い始めていた。またマリウスも彼に幼き自分の姿を見る。二人には敵国の間を超えた心の絆が生まれていた。しかしアルド・ナリスはマリウスにモンゴールの世継ぎミアイルを殺害せよ伝令する。マリウスはパロへの忠誠とミアイルとの友情の間で揺れ動く。そしてもう一人。殺害計画に取り込まれていく男、ナリスを狙うアストリアスであった。
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第18話 永別了,我的愛人(後篇)
うたかたの夢は露と消えゆき断ち切る想いに心が揺れる鈍く光りし刃の先は過去を映して虚ろに光る響き渡る旋律を悲しみの色に染めて…。パロ、クリスタル公アルド・ナリスとモンゴール公女アムネリスの婚礼の日、それは運命の一日となる。アストリアスは婚礼の間の影でアムネリスとナリスを待ち受けていた。「今だ、行け」ヴァレリウスの声で婚礼に突入したアストリアスの剣はナリスを狙う。愛するナリスとの結婚という幸せの絶頂に飛び込んできた凶刃。婚礼はアムネリスの絶叫で幕を閉じた。そしてその直後、アムネリスの前にもう一つの報が届けられるのであった。
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第19話 海市蜃樓
新たな出会いと別れの中で変わりゆくのは人の心か遠く霞(かす)みし都(みやこ)の影が、誓いの言葉と共に溶けてゆく青白きイリスの腕に抱かれてて…。アグラーヤ王ボルゴに娘のアルミナ姫との婚約を迫られたレムスであったが、「国が治まった後」とその申し出を一旦断る。イシュトヴァーンは正装をまとったリンダの姿に息を呑むが、同時に王族である彼女と自分の間に埋めがたい溝を感じる。そして自らの思いを告白するしようと二人だけで丘の上に立った。そんな頃パロの首都クリスタルではサリアの塔で暗殺された「アルド・ナリスの亡霊」がでるとの噂が立ち上っていた。
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第20話 紅之密使
今、一つの道が示されたそれは遠く、栄光へと導く茨の回廊赤き星は一陣の風となりて地を駆ける小さき花の花弁を散らして…。アグラーヤの首都ヴァーレン。沿海州六カ国代表はモンゴール討伐のため海軍出動を決議。だが全会一致の決議の裏には各国の思惑が隠されていた。そして開戦を祝賀する街の様子を、宿屋の窓から眺めていたのはイシュトヴァーンであった。この戦で自らの未来を掴むことを自らに言い聞かせる彼の目に人目を避け路地に消える男の姿がとまる。そして彼がその男から偶然預かった物は戦局を動かすほどの大切なものだった。
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第21話 Crystal的叛亂
内に潜(ひそ)めた激情が溢れ糸に繰(く)られた人形が狂乱の中で倒れふす掲(かか)げる剣(つるぎ)に想いを込めて今、反撃の狼煙(のろし)が上がるクリスタルの南ではパロの学生達が祖国をモンゴールから奪還するため蜂起。二万人の市民と共にアルカンドロス広場に集結した。しかしモンゴール黒騎士隊精鋭により次々と鎮圧される。その時、学生の一人ランが見たものは、日を受けて銀色にきらきらと輝く甲冑、兜を纏ったパロ聖騎士の騎馬隊千五百が颯爽と駆けて来る姿であった。そしてついに聖騎士のリーダーが兜を取る。静まる一同、中には涙を流す者も。その男の名は。
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第22話 復仇女神
悲しみの墓標、心の宿燃え盛る炎が身を焦がす狂おしく吹き荒れる嵐の中で、二人の心が結びつくそれは永遠を誓う契りにも似て…愛するナリスとミアイルを失いモンゴールに戻った失意のアムネリスに衝撃の事実が伝えられる。パロ、クリスタルの反乱を指揮していたのは「死んだはずのアルド・ナリス」なのだと。裏切られたにも関わらずナリスとの甘美な思い出を捨てられない自らの惨めな女心を封印するため、アムネリスは自らの髪を切り復讐を誓う。そしてそのナリスへ魔道師が「占星盤が巨大な赤い星が勝利の宮から入る様をうつしている」と報告していた。
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第23話 在何種星辰下
数奇(すうき)なる運命(うんめい)の導く先に、全てを見通す一つ星たとえ歩みし道が違えども、心は常に共にある光り瞬(またた)くこの空の下(した)…三万のパロ軍勢はクリスタル奪還後、モンゴールを陥落させるべく、トーラスを目指していた。そんなある夜、イシュトヴァーンは尊敬するアルド・ナリスがリンダを妻にすると決めていることを知り衝撃を受ける。そして今の自分が何をとってもナリスに太刀打ちできないことを知る彼は一人誓う。自分が愛するリンダを手にいれる方法はただ一つ、他国の王としてパロを征服し、ナリスの王妃だとしても力づくで奪うことだと。
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第24話 Mongaul的最後一日
叶わぬ願いはどこへ行(ゆ)くのか癒えぬ痛みが胸を苛(さいな)み、悲しみの雫(しずく)が滴(したた)り落ちる消えゆく国の灯火(ともしび)に、報われぬ魂の慟哭(どうこく)が響くパロ・アルゴス連合軍、更にパロ側についた沿海諸国軍によりモンゴールは完全に包囲された。滅亡を予感しつつ、せめてアルド・ナリスに一太刀をと望むアムネリスだったが、父ヴラド急逝の報がその想いを打ち砕き、トーラスへの帰還を余儀なくされる。そして孤独な道の先には同盟国であるはずのクムが五万の兵で待ち構えていたのだった。
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第25話 與宿命的抗爭
剣(つるぎ)と剣(つるぎ)が火花を散らし、己(おのれ)を賭けた舞踏を刻む栄華(えいが)の時代は遠く過ぎ去り、伝承として継がれゆく悠久(ゆうきゅう)の時の流れが語りしは…満天の星空の下、一人草原に寝転ぶイシュトヴァーンは王になるため何が必要か気付く。スカールはアルゴスへ戻ると1万8千の騎馬の民と共に去ったが、ナリスは彼が目指すのは謎に満ちた土地、ノスフェラスではと直感する。一方モンゴールを裏切ったクムではタリオ大公が捕虜アムネリスに「クムの傀儡となれ」と迫る。そしてアムネリスは、第二王子、タル・サンと第三王子タリクの視線が自分に注がれているのを感じていた。