《忘星のヴァリシア 第二章:群青》
生命の火が、この日々を照らしている
第一の簒奪者の襲来を退け生命の火を守り、帰還した明桜と彩希。
来る第二の簒奪者との戦いに向け、彼女たちは日々を過ごしてゆく。
時は流れ、夏。
長期休暇は若人の楽園。
青い空に海花火。
買い物訓練宿題合宿。
一度きりの高1の夏。
変わってしまった日常は、それでも奇跡で溢れていた。
そして始まる第二の儀式。
明桜と彩希はヴァリシアを駆り、
新たな戦いへ身を投じる。
変わり始めた関係も、どうしようもない現実も、その先にある運命も。
繰り返す日々は幸福で、幸福とは今だった。
運命の先、二人の心が交わる時、第九の巨人は仮面を棄てる。
すべての《今》を愛するために。
もう何一つ零さぬように。
――これは、あの夏の一片。
きっといつか忘れられる、ありふれた日々に、私たちがいた記録だ。
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