『グループ・タック』
株式会社グループ・タック(英: Group Tac Co., Ltd.)は、かつて存在した日本のアニメ制作会社。
日本動画協会正会員であった。
2010年、決算月である8月に準自己破産した。
負債総額約6億5000万円。
沿革
1968年3月、旧虫プロダクションの音響スタッフであった音響監督の田代敦巳が部下の明田川進、アートフレッシュを経てフリーとなったアニメーション監督・演出家の杉井ギサブローらを誘って設立した。
設立当初は東京ムービー等の他社が制作した作品の音響制作が中心だったが、1975年制作の『まんが日本昔ばなし』(毎日放送)でアニメーションの元請制作を開始した。
主な事業内容はアニメーション・コンピュータグラフィックスによる映画・ビデオ・テレビ番組・CMなどの企画・制作、音響制作である。
多くの賞を受賞し評価を受けた『まんが日本昔ばなし』をはじめ、『銀河鉄道の夜』、『イーハトーブ幻想〜KENjIの春』など過去の名作による作品を手がける一方で、1990年代以降は従来の作風にとらわれない作品も発表していた。
2008年、代表取締役の田代が東京国際アニメフェア2008にて第4回功労賞を受賞。
しかしグループ・タックが得意としてきたゴールデンタイムのアニメは少子化や表現規制などの影響で衰退し、リーマン・ショックの影響を受けた2008年後半にはスポンサーの撤退が相次いだことから受注が減少、2009年8月期の年収入高は約5億9600万円に落ち込んでいた。
その後は新規受注の獲得やスタッフの削減などに努め業況の回復を試みたものの、翌2010年7月に代表の田代が死去したことから社内体制の再構築が難航し事業継続を断念することとなった。
同年8月31日に東京地裁へ準自己破産を申請し、東京地裁は翌9月1日に破産手続き開始を決定した。
なお破産時に制作中であった『はなかっぱ』は以後OLM・XEBEC(同社の解散後はのちにシグナル・エムディへと移管)に引き継がれることとなった。
また同じく制作中であった『グスコーブドリの伝記』については2011年9月30日に文化庁が発表した平成23年度の「国際共同製作映画支援事業」における製作支援対象として、手塚プロダクションが制作する形で本作が含まれることが明らかにされ、手塚プロが完成させて2012年7月に公開された。
スタッフの一部はディオメディア、サテライト、T2 Studio等に移籍した。
破産時に社屋として使用していた建物は「KBDタックビル」として2022年現在も現存しており、タック時代の看板もそのまま残されている。